本屋でふらっと立ち寄ったビジネス書コーナーで、なんとなく手に取った一冊があった。『Googleで学んだ 圧倒的成果を出し続けるマネージャーの最優先事項』というタイトルだ。パラパラとめくってみたら思いのほか引き込まれて、立ち読みだけでかなりの時間を使ってしまった。今日はそのとき感じたことを、忘れないうちに書き残しておきたい。
私自身、会社では一応マネジメントに近い立場で働いている。とはいえ「マネージャーとしてちゃんとできているか」と聞かれると、正直あまり自信を持って頷けない。そんなモヤモヤを抱えていたタイミングだったこともあって、目次に並んだ言葉のひとつひとつが妙に刺さってきた。
マネージャーが陥りがちな罠と、「学びを止めない姿勢」
本の冒頭で紹介されていたエピソードが印象的だった。一生懸命に新人時代を駆け上がって、努力の末にマネージャーという立場を手に入れた人物が主人公として登場する。ところが、いざマネージャーになってみると、「自分がチームを引っ張っていかなければならない」という思い込みに、いつの間にかガチガチに縛られてしまう。プレイヤーとして評価されてきた成功体験が、逆に足かせになってしまうというのは、なんとも皮肉な話だ。
そうやって肩に力が入りすぎた結果、チームがうまく回らなくなっていく。そして部下からの何気ない一言がきっかけで、「自分はいつの間にか学ぶことをやめて、慢心していたんだ」とハッと気づかされる場面がある。ここを立ち読みで読んだときは、自分に置き換えて考えずにはいられなかった。役職が上がるほど、周りから指摘されにくくなる。指摘されないからこそ、自分では「大丈夫」だと思い込んでしまう。この構造そのものが怖いな、と感じた。
本の中では、環境の変化や目の前の困難に対して、マネージャー自身が変わり続けることを恐れない姿勢こそが何より大切だ、と語られていたように記憶している。部下に成長を求める前に、まず自分自身が学び続けられているか。読みながら、そこを自分に問い直された気分だった。
マネージャーが果たすべき3つの役割
この本では、マネージャーが果たすべき役割として、大きく3つが挙げられていた。私なりの解釈も交えつつ、それぞれ振り返ってみたい。
1. 圧倒的な成果を出すこと
ひとつ目は、成果そのものにきちんとこだわること。ただし、ここで大事なのは「気合と根性でなんとかする」という話ではなく、成果につながるプロセスを分解し、チームとして再現性を持って積み上げていく、という視点だったように思う。マネージャー自身が「頑張ります」で終わらせず、何が成果を生んでいるのかを言語化し、チームに共有できているか。ここは、自分の仕事を振り返っても耳が痛いポイントだった。「なんとなく忙しい」状態のまま1週間、1ヶ月と過ぎていくことは、正直よくある。それを「なんとなく」で終わらせず、どの行動がどの成果につながっているのかを振り返る時間を、意識的に作らないといけないなと感じた。
2. 人材を育成すること
ふたつ目は、メンバーの育成。ここで印象に残ったのは、「短期的な成果」と「長期的な成長」を、どちらか一方に偏らせず両立させるという考え方だ。目先の数字だけを追いかけると、メンバーは疲弊してしまう。かといって成長ばかりを重視して成果を置き去りにすると、チーム全体の評価や信頼が揺らいでしまう。そのバランスを取るために、マネージャーが一方的に目標を与えるのではなく、メンバー自身が「これなら頑張れる」と腹落ちできる目標を、一緒に作り上げていくプロセスが大事だと書かれていた。
3. コミュニティ(心理的安全性)を構築すること
3つ目が、個人的にいちばん印象に残った部分だ。「心理的安全性」という言葉自体は、最近いろいろなところで聞くようになったけれど、この本では「形だけの心理的安全性」ではダメだ、とはっきり書かれていた。単に「なんでも言っていいよ」と口で言うだけでは、本音はなかなか出てこない。マネージャー自身が、自分の弱さや至らなさをさらけ出し、本音でぶつかり合える関係性を作りにいく必要がある、という内容だった。
「弱さを見せる」というのは、口で言うほど簡単なことではないと思う。特に、マネージャーという立場になると、「弱いところを見せたらナメられるんじゃないか」という不安がどうしても頭をよぎる。でも、本当の意味でチームが機能するためには、その不安を乗り越えて、等身大の自分を見せる勇気が必要なんだろうな、と感じさせられた。考えてみれば、自分が新人だった頃に一番信頼していた上司も、完璧な人ではなく、失敗談やわからないことを素直に「わからない」と言える人だった。強さよりも正直さの方が、結果的に信頼につながるのかもしれない。
読んで感じたこと、自分の仕事や家庭にどう活かせそうか
この本を通して感じたのは、「マネジメント」というものが、決して特別なスキルや才能だけの話ではなく、日々の姿勢の積み重ねなんだな、ということだった。成果を出すこと、人を育てること、安心できる場を作ること。この3つは、会社のチーム運営だけでなく、家庭での子どもとの関わり方にも、案外そのまま通じる部分があるように思う。
たとえば、子育てにおいても「短期的な成果」と「長期的な成長」のバランスは常に悩ましいテーマだ。目の前の宿題や生活習慣にばかり目が行きがちだけど、それだけを追いかけると、子ども自身が「なぜそれをやるのか」を腹落ちできないまま、やらされ感だけが残ってしまう。会社のマネジメントで語られていた「一緒に目標を作る」という考え方は、家庭での関わり方にもそのまま応用できそうだと感じた。
また、「心理的安全性は形だけでは作れない」という指摘も、家庭に置き換えて考えるとハッとさせられる。「なんでも話していいよ」と口では言いつつ、実際に子どもが本音を話してくれたときに、親である自分がちゃんと弱さを見せられているか、対等な関係で向き合えているか。ここは、仕事だけでなく普段の自分の振る舞いも含めて、改めて意識していきたいと思った。
漫画パートと文章パートが交互に出てくる構成になっていて、立ち読みでもストーリーとして自然に読み進められたのも良かった。マネジメントというテーマは、ともすれば堅苦しい理論の羅列になりがちだけど、この本は物語として読ませる工夫がされている分、自分ごととして受け止めやすかったように思う。
まとめ
ざっと目を通しただけで、「初心に立ち返ること」「等身大で向き合うこと」の大切さを、改めて深く考えさせられる一冊だった。マネージャーという役割に限らず、部下や子どもなど、誰かと向き合いながら成果や成長を目指す立場にある人にとって、刺さるポイントが多い本なんじゃないかと思う。
今度、時間のあるときにちゃんと通して読んでみようと思っている。読み終えたら、また改めて感想を書いてみたい。同じようにマネジメントや人との向き合い方に悩んでいる人がいたら、書店で見かけた際にぜひ手に取ってみてほしい一冊だ。


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