【書評】忙しい40代こそ読みたい『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』

カフェで本を読むスーツ姿の男性 書評
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「最近、ちゃんと勉強してるかな?」

40代になってから、ふとした瞬間にこう考えることが増えました。目の前の仕事は毎日こなしています。でも「新しく何かを身につけたか」と聞かれると、正直ちょっと言葉に詰まります。

そんなモヤモヤを抱えていたときに読んだのが、石田淳さんの『40歳を過ぎても「会社に必要とされる人」でいるための学ぶ技術』(日経BP社)という本です。今回はその読書記録を残しておこうと思います。

「40歳」の本というより、「学び方」の本だった

タイトルだけ見ると、40歳を過ぎた人向けのキャリア論っぽいですよね。私もそういう本だと思って手に取りました。

でも読んでみると、年齢の話はそこまで中心ではありません。書かれていたのは「これからの時代に食べていくためのスキルを、どういう気持ちで、どんな手順で学んでいけばいいのか」ということでした。

つまり、大人のための勉強の続け方の本だったんです。

忙しさに流されるのが、いちばん怖い

本書が特に注意を促しているのが、自分でも手を動かしつつメンバーも見る、プレイングマネージャーのような立場の人です。

この立場って、とにかく時間が溶けるんですよね。自分の仕事、メンバーのフォロー、急な対応。気づけば1日が終わっていて、「勉強」は後回しになりがちです。

本の中では、まさにこの状態が危ないと書かれていました。忙しさに流されて学ぶことをおろそかにしていると、役職定年や異動みたいな変化がやってきたときに、生き残れなくなってしまうというのです。

読んでいて、ちょっとドキッとしました。他人事じゃないなと。

じゃあどうするか。本書の答えは、まず自分の過去の経験を棚卸しするところから始めて、学び続ける習慣を作っていこう、というものでした。

学ぶための4つのステップ

本書では、学びを4つのステップに分けて説明しています。ここは私なりにかみ砕いて紹介してみたいと思います。

ステップ1:目的を見つける

まずは自分のこれまでの経験を振り返ります。そのうえで、これから何が伸びそうか、会社で何が求められているかを考えます。

面白いと思ったのは、「学ぶこと」だけでなく「学ばないこと」も決めるという点です。

大人の時間は限られているので、あれもこれも手を出すと全部中途半端になります。何をやらないかを先に決めるのは、忙しい人ほど大事なんだと思います。

ステップ2:目標を決める

ここで本書はけっこうバッサリいきます。数字になっていないものは目標とは呼ばない、という考え方です。

そこで出てくるのが「MORS(モーズ)の法則」。ざっくり言うと、こんな4つの条件を満たす形で目標を立てようという話です。

  • 計測できる(Measurement)
  • 観察できる(Observation)
  • 信頼できる(Reliability)
  • 明確になっている(Specification)

たとえば「英語をがんばる」だと、何をどれだけやったのか誰にも分かりません。自分にも分かりません。

「がんばる」は気持ちの話で、目標じゃないんですよね。耳が痛い話です。

ステップ3:行動を設計する

個人的にいちばん刺さったのがここです。

勉強が続かないのは「行動が続けられなかった」ということなんです。私はこれを「意志の弱さのせいにしなくていい」という意味に受け取って、ちょっと救われる気がしました。

具体的には、勉強のジャマをする「ライバル行動」から距離をとること。それから、過去1週間や1か月の過ごし方を振り返ってムダな時間を探し、ハードルを思いきり下げたスケジュールを組むことです。

ほかにも、続けるための工夫がいくつも紹介されていました。

小さなゴールを積み上げていく「スモールゴール」。

結果が出るのを待たずに、すぐに自分にご褒美をあげる「リンフォース」。ご褒美はP(ポジティブ)、S(すぐに)、T(確実に)の3つを意識するといいそうです。

家や通勤電車みたいな誘惑の多い場所を避けて、ファミレスや図書館など集中できる場所へ行く「環境づくり」。

家族を巻き込んだり、一緒に学ぶ仲間を作ったりする「サポーターづくり」。

そして、紙の参考書にこだわらずスマホなども使う「ツールに頼る」ことです。

どれも派手さはありません。でも「やる気に頼らず、仕組みで続ける」という考え方が一本通っていて、読んでいて納得感がありました。

図書館の学習机

写真はPexels提供

ステップ4:振り返る

最後は検証のステップです。

ここで大事なのは、100できなくても、10や15進んでいればOKとすること。「全部できなきゃ意味がない」という0か100かの考え方を捨てて、ズレたら直せばいい、という姿勢です。

これ、大人ほど陥りがちだと思うんですよね。予定どおりにいかなかった日に「もういいや」と全部投げ出してしまうやつ。

完璧じゃなくていい。そう言ってもらえるだけで、また次の日も机に向かえる気がします。

「生涯勉強を続けるための15の心得」で印象に残ったもの

本の最後には、ずっと学び続けるための心得が15個まとめられています。全部は紹介しませんが、私が気になったものをいくつか挙げてみます。

まず「最初から張り切らない」です。

新しいことを始めるとき、つい最初に全力を出してしまって、あっという間に燃え尽きてしまいます。普段から無理せずできることを繰り返す、という心得とセットで、肝に銘じておきたいところです。

次に「質の高い睡眠をとる」と「エンデュランス系のスポーツをする」です。

勉強の本なのに、体のことが出てくるのが意外でした。でも考えてみれば、寝不足の頭で何かを覚えようとしても入ってこないですよね。

それから「不安の正体と向き合う」です。

将来が漠然と不安、というのはこのブログのテーマそのものでもあります。ぼんやりした不安は、正体が分からないから怖いものです。向き合って中身を見てみると、意外と打つ手が見えてきたりします。

最後に「将来のために今を我慢しない」です。

老後に備えるブログをやっている身としては、ちょっとハッとさせられた言葉でした。備えることは大事です。でも、そのために今を全部犠牲にしたら本末転倒なんですよね。

2018年の本を、AIの時代に読んでみて

この本が出たのは2018年です。今みたいにAIが当たり前に使われる時代から見ると、技術まわりの前提は少し古く感じる部分もありました。

ただ、それで本の価値が下がるかというと、そうは思いませんでした。

自分で目標を決めて、行動を設計して、振り返りながら学び続ける。この根っこの部分は、道具がどれだけ変わっても関係ありません。むしろ変化が速い今だからこそ、学び方そのものを身につけておく意味は大きいんじゃないかと感じました。

忙しさに流されそうになる日は、きっとこれからもあると思います。

それでも、0か100かじゃなくていい。まずは10でいいから、自分なりの学びの仕組みを作っていこうと思います。

同じように「最近なにも学べてないな」とモヤモヤしている40代の人には、学び直しの最初の一冊としてけっこう向いている本だと思いますよ。


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