先日、YouTubeで『残された時間の使い方』という本を紹介している書評動画をたまたま見かけた。タイトルからしてちょっとドキッとするというか、40歳になった身としては素通りできないテーマだったので、思わず最後まで見てしまった。今日はその動画で紹介されていた内容と、それを聞いて私自身が感じたことを書いてみたいと思う。

「45歳」が人生の折り返し地点になる、という話
この本の主張をざっくりまとめると、こんな感じらしい。人生の時間には「足し算の時間」と「引き算の時間」があって、その切り替わりが45歳あたりに来る、というのが大きな軸になっているそうだ。
45歳までは「足し算の時間」。いろんなことに挑戦して、経験やスキルをとにかく吸収し、自分の中に蓄えていく時期。逆に45歳を過ぎると「引き算の時間」に入る。それまで積み上げてきたものを使って、周りにアウトプットしていく、いわば自己実現に近づけていく時期に切り替わる、という考え方。
で、45歳というタイミングで一度、仕事・家庭・社会という3つの観点から、自分がどうありたいのかを見つめ直したほうがいい、というのが本の提案だったそうだ。仕事よりも家庭を優先するとか、社会貢献は年を取ってからでもいいから今は後回しにするとか、自分なりの優先順位をそこではっきりさせておく。そうすることで、45歳以降の「引き算の時間」――つまりこれまで蓄えたものを発揮していく時間――を、より有意義なものにできる、という流れ。
「何歳からでも遅くない」への、ちょっとしたアンチテーゼ
個人的に印象に残ったのは、この本がわりと慎重なスタンスを取っている点だった。最近って「人生100年時代なんだから、何歳からでも遅くない」「今日が一番若い日だから、やりたいことをやればいい」みたいな風潮があるよね。もちろんそれ自体は励みになる考え方だと思うんだけど、この本はそこに対してやや距離を置いている感じがした。
45歳を過ぎてから、これまでやったことがないことにいきなり飛び込むのは、リスクがそれなりに高い。新しく始めたからといって、必ずしもうまくいくとは限らない。だからこそ、残された時間の使い方としては、もう少し慎重になってもいいのではないか、というのがこの本のスタンスだった。私は最初、これは少し保守的すぎるかなとも思ったんだけど、聞いているうちに「なるほど、一理あるな」と感じるようになった。何にでも飛び込めばいいというわけではなく、それまでに何を蓄えてきたかが、後半の時間の質を左右する、という考え方は妙に腹落ちする部分があった。
「あと5年」しかないという、自分自身への気づき
ここで、ふと自分の年齢を考えてしまった。私は今40歳。つまり、この本の理屈でいうと「足し算の時間」は、もう残り5年しかないということになる。正直、これを考えたときにちょっとゾッとした。まだまだ時間はあると思っていたけど、意外とそうでもないのかもしれない。
だとしたら、この5年間でどれだけいろんなことに挑戦して、経験を蓄えられるかが、45歳以降の「引き算の時間」の充実度を決めることになる。逆算して考えないといけないんだな、というのを今更ながら感じさせられた。
夫婦でカフェをやりたい、という私の夢
実は私には、将来ちょっとした夢がある。まだ実現するかどうかはまったく分からないんだけど、夫婦でカフェのようなものをやりたいと思っている。子供が学校から帰ってきたら、いつでも居場所がある。お父さんお母さんがそこにいる。そんな場所を作れたらいいなと。
そこで地域のコミュニティのような場を提供できたらいいし、私自身がボードゲーム好きなので、そういうボードゲームを取り入れた「ボードゲームデイ」みたいな企画もできたら楽しいだろうなと考えている。自分の好きなものを詰め込んだカフェ、というイメージだ。

この本の話を聞いて、この夢に向けての準備を「足し算の時間」の残り5年でやるべきなんじゃないか、と考えるようになった。カフェをやるならコーヒーは出すだろうから、どんなコーヒーが美味しいのか、ドリップで淹れるならその練習をするとか、機械を導入するならどんな機械がいいのかとか、そういうことを調べたり経験を積んだりする必要がある。
軽食も出したいと思っているけど、夫婦2人で営む規模のカフェだと、あまり手の込んだ料理は現実的に難しいだろうから、どこまでの線引きなら提供できるのか、メニュー開発を今から少しずつ始めてもいいのかもしれない、とも思っている。
あと、地域的に子供が多いエリアなので、子供の教育にとってプラスになりそうなボードゲームを、子供と親を巻き込んだ形で紹介できる場所にしたいという気持ちもある。別に最新のボードゲームである必要はないと思っていて、「このボードゲームはこういう点が教育的にいい」といったことを少しずつ調べて、自分なりの知見を蓄えていくのも、今からやっておいていいことなんじゃないかなと感じている。
もちろん、こういうチャレンジをするにはある程度の金銭的な余力も必要になってくる。40代・50代でものすごくリスクを取って、まとまった資産を作れればまた話は別かもしれないけど、それも簡単なことではないと思う。頑張っても50歳を過ぎたあたりからだと、もう完全に「引き算の時間」に入ってしまう。だからこそ、この5年でどれだけ蓄えられるかを意識して動かないといけないな、というのが正直な気持ちだ。
マネジメント職になって、自分の成長が後回しになっていた反省
もう一つ、この本を聞いて反省させられたのが、今の働き方についてだった。あと10年は働くことを考えると、仕事の面でもやっぱり「足し算」の軸足を置いておかないといけないはずなのに、今の自分はすでに、ちょっと「引き算」寄りの働き方をしてしまっているな、と気づいた。
マネジメント職になってから、自分自身のスキルや技術を上げることがおろそかになっていて、これまで培ってきた経験をもとに、後輩の育成や今あるプロジェクトを回すことに時間を使ってしまっている。もちろんそれも大事な仕事だとは思うんだけど、新しい知識や技術をもっと能動的に仕入れていく時間を、意識して作らないといけないなと感じた。マネジメントの分野でも、新しい技術の分野でも、自分の武器をもう少し増やしておかないと、45歳から先の「引き算の時間」がしんどくなってしまうかもしれない。この5年間でそこをどう埋めていくか、きちんと目標を立てていく必要があるな、というのが今回一番の反省点だった。
おわりに
この本の内容がすべて正しいかどうかは分からないし、45歳というのはあくまで一つの目安の話だと思う。ただ、「自分の残り時間をどう使うか」を仕事・家庭・社会という3つの軸で見つめ直す、という視点は、老後や将来のお金に漠然とした不安を持っている人ほど、一度立ち止まって考えてみる価値があるんじゃないかなと思う。
もしこの記事を読んでいるあなたが40代前後なら、あと何年が「足し算の時間」で、その時間で何を蓄えておきたいか、ちょっと考えてみてほしい。私自身も、この5年間で何を積み上げるかを、これからもう少し具体的に考えていこうと思う。

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